みなさんこんにちは。
10年に1度といわれる寒波が日本列島に到来しております。私の住んでいる関西はここ数日の平地での気温が0度を下回り、-5度ぐらいです。雪が降り積もり、この冬一番の寒さとなりましたね。
大雪になり雪かき作業に追われたり、車が家の駐車場から出せない場合もあるのではないでしょうか。
お気を付けてお過ごしください。
日本に来る観光客もこの雪や寒波にはびっくりしているでしょうね。
今、COVID-19が落ち着いて、どんどん日本に来る観光客が増えています。
今日は、そんな方が医療にかかるとき、言葉の壁が大きいと言われています。
そこで活躍してくれる職業に医療通訳士があります。
そのことについてお話します。
在留外国人の増加
2022年6月の段階で、在留外国人の数は、約2,962,000人です。
となっております。
意外にも日本は移民の方が多いですね。
在留外国人の多くは、コロナ後も日本に残って生活されている方がいます。何らかの理由で、帰国できずオーバーステイになった外国人の方もおられます。
そして、2020年の統計によりますと、外国人出生数は1.9万人と過去最高になります。多くは20歳~39歳の人口が50%以上です。
医療通訳
病院に受診をしたとき、言葉が分からない外国人のかたは、受付、受診、病状説明、薬の受け取り、次回の診察の予約などハードルがたくさんあります。
そんなときに、助けてくれるのが医療通訳士の方。
医療通訳はグローバルな医療現場では必須になってきています。この医療通訳の有無により、患者さんを様々なリスクから守ることにつながることが分かります。
アメリカ合衆国では、医療通訳士の整備が早くから整っているという情報があります。
例えばボストンにある病院の外来受けつけには、なんと30か国語での医療通訳サービスが受けられます。
カリフォルニア州では法的な整備があり、英語ができない患者は無料で医療機関に、医療通訳のサービスを求める権利があります。また、研修システムが確立され、通訳士の役割も明確にされています。政府から補助金を受け取っている場合は、無料で通訳を用意するという義務があります。
入用通訳者のためのカリフォルニア・スタンダード 2002
多国籍の民族が多く、きちんとその対応が病院で整備されていることは、素晴らしいと思います。
病院の受けつけにいけば、自分の母語で、話ができ、安心して受診ができますね。
特に、緊急時や不安な状況の中で、言葉が通じ、受診、治療ができるというのは、大変心強いものです。
日本の医療通訳の活動
日本の場合も、海外を見習い、設備が少しずつではありますが、整えてきています。
医療通訳士の養成に力を入れています。
2014年に厚生労働省医政局の指導により、医療通訳育成カリキュラム基準がとテキストが作成されました。
2020年3月に国際臨床医学会が認定医療通訳士制度を作りました。
教育を受け、筆記試験と実技に合格した者は実務者認定と認めらています。
言語は15言語があり、299名の方が誕生しております。
興味がある、話せる言語があれば、医療通訳士にぜひ挑戦してみてくださいね。
ご興味のあるかた、挑戦してみようかなという方は一度、国際臨床医学会が認定医療通訳士制度で調べてみてください。
現状は、医療通訳士が病院に受駐しておらず、言葉が分かるスタッフが呼ばれるケースが多いです。そのスタッフは医師、看護師などのメディカルスタッフ、事務の方が多く、自分の仕事をしながら対応することになり、負担はかなりのものです。病院の中にいないことが当たり前であり、多言語を話せるスタッフはいつもいるわけではありません。
地域と連携したり、またご家族の方に協力することもあるでしょう。
AIではできないことがある
通訳なら、翻訳のアプリに頼ればOKと思いませんか?それでも、おおまかには通じるかもしれません。
しかし、患者さんが抱えている、本当の悩み、宗教や文化背景による求める医療などの繊細な部分は伝えることが出来ないと思います。
今日、朝活ライブで実際に通訳をしている友達からお話を聞くことができました。
外国の方が、育児放棄をしているという情報があり、同行通訳をしてほしいと行政から依頼がありました。
家に訪問し、関わることになりましたが、一つ一つ丁寧にお話を聞いていくと、行政が心配するような育児放棄ではなかったそうです。その文化や背景を知って関わると見えてくるものがあるとのことでした。ありのままの現実に目を向けて、必要な支援へと繋ぐことができたということでした。
通訳の役割は大きいと感じます。医療の現場でも同じようなことが沢山あると思います。
産婦人科で受診を拒否する妊婦さんを、言葉や文化背景の理解が少ない日本人は、一方的に受診拒否していると決めつけてしまいがちです。丁寧にその人と向き合って、お話を聞いていくと、そうではなく、その方は女性の医師に診察を求めていただけです。それは信仰している宗教上からの思いである、そのことが伝わっていないだけでした。
文化社会背景を理解し、相手に向き合う心が必要です。その気持ちが少ないと、外国人の方は言葉の壁の前に心の壁も感じてしまうでしょう。
企業と病院の連携
メディフォン株式会社が、医療通訳に特化したサービスを導入していますので、その紹介をしたいと思います。
こちらは、遠隔医療通訳システムを導入し、医療機関と外国人患者が医療通訳士を通して通訳します。それにより、医療機関の医師や看護師は日本語で話しを行い、外国人患者は母語で話せ、双方が安心できるサービスです。通訳は、電話やビデオで行いますので、遠隔でもリアルタイムで行えます。
現在31言語に対応しています。登録通訳者は300名で、常駐のスタッフ、在宅と2種類あります。
英語、中国語、韓国語は24時間対応しており、その他の言語は8:30~24:00に対応しています。
メディフォンでは受入れマニュアル・多言語資料等、今日から使える便利な資料を無料で配布しています。https://info.mediphone.jp/biz_001/paper_service?utm_source=mediphone.jp
医療通訳士の常勤対応や、企業との連携が今後ますます必要になってきます。
医療通訳のサービス拡大が期待されることで、外国人の方が安心して医療を受けられるシステムに近づくと考えます。
国籍や民族などの異なる人々が、互いの存在を認め合い、共に生きていく多様性のある社会にしていきたいですね。それが多文化共生社会。
このようなサービスが病院ごとに取り入れていければ、過ごしやすくなるのではないでしょうか。
今後の日本の医療の整備に期待したいです。
また私たちは在日外国人の健康支援のためにできることを、一人一人が、日頃から考え、小さなことから行動に移すことも大切と考えます。
そんな気持ちで多文化共生社会が作れたら良いですね。
今日は、海外と日本の医療通訳の今、未来を考えていきました。
最後まで読んで下さりありがとうございます。