物質依存症について

friends toasting their beer bottles

2022年11月24日~11月25日の朝活のテーマは依存症についてディスカッションをしていきました。特に物質依存症です。

医療界では、アディクションとも言っています。日本語は嗜癖(しへき)と呼んでいます。

目次

アディクション

アディクションとは、ある行為が習慣的になり、健康や利益を害するようになっても、とめられない状態のことです。脳の障害ということが分かっています。

アディクションには大きく分けて次の3つに分類されます。

  • 物質依存
  • 行動プロセスへの依存
  • 人間関係への依存

物質依存

物質依存ではみなさんがイメージできるものに、アルコール依存と薬物依存、たばこ依存などが有名です。

アルコールや薬物依存には精神依存と身体依存の両面があります。

精神依存とはアルコールや薬物への欲求が強く、生活習慣に組み込まれ、摂取せずにはいられない気持ちになります。簡単に手に入る薬物であるアルコールは、鎮静作用や高揚感をもたらし、不安・抑うつ・不眠に対して使用されます。

身体依存は次第に耐性が上がり、しばしば早朝や昼から飲みだし、飲み続けると止まらない状態になります。これが常態化すると、アルコールが切れるときに、精神・身体症状が現れます。手足のふるえ、吐き気、不眠、幻覚などが生じてきます。

アルコールが身体に与える主な弊害

お酒を飲み続けると、咽頭がん、肝硬変や慢性膵炎などの内臓障害、中枢神経変性や脳の萎縮などの運動障害や精神・知能障害を起こしてきます。

また、アルコール幻覚症や、アルコール性認知症となることがあります。

早期離脱症状は、断酒して数時間で、手や全身の震え、発汗、不整脈などが生じます。

後期離脱症状は、断酒して数日で、幻視(虫が這っているとか、天井にアブラムシの集合体が見える)実際には見えないものが見えてきます。

それを避けるために、さらにアルコールを飲み続けてしますのです。

最終的には飲みだすと、止まらなくなり、飲酒と睡眠を繰り返す連続飲酒発作という飲み方に至ります。

山型飲酒サイクル  食事が摂れなくなり、飲酒と短時間の睡眠を繰り返す以外、ほとんど何もできなくなります。これが2、3日から長ければ1か月以上も続きます。水を飲んでも吐いてしまう状態となり、ようやくあきらめて断酒しますが、再びこのサイクルを繰りかえします。

アルコール依存症の治療

  1. 完全な断酒が治療
  2. 抗酒薬
  3. 自助グループ 

1.完全な断酒

初期の症状の管理のために入院治療が必要になります。通常2~3か月間です。症状に合わせて治療が決まります。幻覚が出現していれば、抗精神病薬の投与があります。

日本では、恥という思いがあり自分が依存症であることを認めるのは難しく、なかなか治療の門をたたくのが遅くなります。ここで海外の例をいくつか挙げたいと思います。

アメリカのある州では、依存症に対して、本人が家族や会社に打ち明けます。そして治療を啓蒙する風潮があるとのこと。だから、「私はアルコール依存(薬物依存)の治療のために会社を休んで、しばらく入院してきます。」と堂々と言えるそうです。 日本もそういう風潮になってきて欲しいと思います。

別の州では禁酒法が出されています。お酒買えないです。

お酒も、日本のようにコンビニやら、スーパーなどでだれでも簡単に購入できるわけではなく、身分証明を提示し、公の場所なんかでは飲めないようになっています。

日本みたいに公園や駅のベンチなど公の場所で飲んだくれしていたら、捕まるよ。

さてさて、世界でアルコール依存患者が多い国はご存じでしょうか。

上位3位にベラルーシ、ハンガリー、ロシアが挙がってきます。

私が上記の国に行ったとき、お酒事情、確かによく飲んでました。そして、陽気。もともとの性格もあるだろうけれど、お酒を飲むと大脳辺縁系の抑制がとれて、爽快感を感じるのですね。そこで心地よい気分でお酒をコントロールできたらよいのですが、、、。

私が身近に聞いた家族は、お休みに入ると、夫婦そろってお酒を朝から飲んでいて、小学生の子供が常時家事をしているヤングケアラーが多いって聞きました。

ヤングケアラーとは家事や家族の世話を日常的に行っている子供のことです。年齢に見合わないお手伝いは負担が大きくなり、子供としての大切な時間が奪われます。アルコールで子供の教育や大切な活動が奪われることは許されないことです。

どこでも簡単に、手ごろな値段で手に入るのも大きな問題だと感じます。日本も販売規制や、飲める場所の制限などもっと必要だと思います。コマーシャルでおいしそうにビールを飲んでいるのを見ると、飲みたくなるやん! これも、洗脳やら。また、経済も回していかないといけないから、駆け引きも難しい問題。

お酒を楽しむ時には、ここまで飲んだら終わりと初めに決めておき、宣言しておくのも大切だし、周りも無理に勧めないことですね。

話は少しそれましたが、入院中に認知療法も取り入れています。精神療法は断酒や退院したあとの生活について考え、患者さんが再発を防ぐ方法などを自分で発見していきます。医療スタッフに相談しながら、進めていきます。

2.抗酒薬

最近は飲酒の欲求自体を抑える薬物やアルコール依存症の飲酒量を低減させる目的で、飲酒の前に服用する薬剤があります。もう、お酒なんか飲みたくないと思えるそうです。

3.自助グループ

アルコール依存症の患者自身が運営するグループが大きな役割を果たしています。同じ思いを経験しているため、共感し支えあえるのです。退院後は、再発のリスクがありますが、この自助グループに参加し、断酒の継続につなげていきます。家族のための自助グループもあります。ご家族にも必要な情報を提供し、一人で抱え込まないように、専門家や同じ境遇の仲間と考えて答えを見つけていけるような取り組みをしています。

物質依存の患者さんたち、最初は機会摂取からのスタートであり、そこから習慣になり依存になっていきます。そしてアルコール精神病になり、死亡(事故死、病死、自殺)につながります。

だから、誰にでも、可能性はあり、時々機会摂取が増えているなと思うなら、調整することも必要ですね。

週の2日~3日の休肝日って、大切やと感じます。

また、身近な人にアルコール依存症の可能性のある方がおられましたら、勇気を出して、行政機関や専門医療機関につなげていって欲しいです。

日本のアルコール依存症の医療機関の検索サイト ↓

http://alcoholic-navi.jp/search/sp/

アルコールがお好きな方は、2分で出来てしまう、アルコール依存症のチェックシートで、時々確認することをお勧めします!

http://alcoholic-navi.jp/checksheet/

今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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