冬の三種競技
前半の記事に続き、今回は三種競技のカウントダウン後からの様子をご紹介します。
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スキー、ランニング、そしてスケートの3つの競技が待ち構えています。
それぞれの競技が持つ特徴と、どれも体力と精神力が試される限りのものばかり。
では、実際に選手として参加したレースを振り返ります!
1.スラローム スキー:3kmの滑走
まずは最初はスキー靴を履いたまま、スキー場400M走ります。スキー靴は走りにくいです、、、。
上り坂になっておりリフトの下をぐるりと1周走り終えたところに、自分の番号を見つけ設置したスキー板とスティクを装着し、3kmのコースを滑ります。
赤と青の旗門がそれぞれ20ヶ所あります。最初に10mの幅で設置された赤旗と赤旗の間を通過すると、次は青旗に向かって滑っていきます。青と青の旗の間を通ります。これを20回繰り返します。
このレースのルールとして、旗門を飛ばしてしまうと1時間のペナルティが課されます。これは嫌だ!というか私の場合は制限時間にレースを終えることができなくなります。
なので、何としてでも飛ばさないように進んでいきます。これは初心者の私には、かなりのプレッシャーでした。
スピードが出過ぎてしまうと、方向転換が難しいからです。ブレーキをかけながら、1つずつクリアしていきました。雪の上を滑る爽快感を味わいながら、スピードとテクニックが必要であり、課題がたくさん見つかりました。
これらの20ヶ所の旗門を滑ったらホットしたいのですが、次にスキー板で山を登ります。こちらは1回目で経験していたので、過酷さは理解できていました。とにかく遠くに見えるランニングのトランジット場所を目指して登ります。油断すると板のままずりずりと下がってしまい、気が抜けません。
無事にスキーのゴールを迎えることができ、ランニングの荷物を入れた袋を開けてランニングシューズを取り出します。
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2.ランニング:雪道を16.5km
次に待っていたのは、雪道を走る16.5kmのランニング。案内では16kmと記載ありますが、正確には少し長い距離のようです。そして昨夜から雪がしとしとと降り積り、道路は雪。
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雪道を走ることは普段の舗装された道を走るのとは違う、足元が不安定で非常に難しいです。
特に深雪の部分や凍った床では足が取られることもあります。私はアイゼンをシューズに装着して走りました。
両足につけて走るのは重いのですが、滑って転倒するよりはマシだろうと思い直前のバスの中でアイゼンをつけて走ることを決めました。これまでに登山の時に使っただけで走ったことはないという、初めての挑戦でした。
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途中、風と雪が降り出しが顔が凍りそうになり髪の毛も凍ってきました。風が治ると走りながら雪景色を楽しむ余裕があり、自然の中でのこのような体験が非常に新鮮でした。それにしても足が重いぞ!滑ることは全くなく安定!
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地域住民の応援、サポータ、ボランティアの方の声援が大変嬉しかったです。後にも先にも選手の姿が見えず、
自分がラストのランナーなのか?しかし最終のランナーを案内してくれる車(回収車)はまだ来ていないから、とにかくスケート場を目指して走ろう!と前を向いて走りました。
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ゴールが近づいてくるとあと2km ファイト!の
看板が励みになりました。早くスケート滑りたい!
あと1kmガンバレ!の看板が嬉しかったです。
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ゴールが見え、最後の力を振り絞って走り切ることができました。
スケートを滑っている娘がリンクにいて安心しました。先に到着していたんだね!
ランニングの間、1度も会うことがなく、私の後ろにいるのか前にいるのかも分からない状況でした。
とにかくお互いにゴールを目指して最後まで頑張ることを約束したのでお互いに信じ進みました。
3. スケート:400m×25周の試練
最後の競技はスケート。こちらは400mのリンクを25周回るという、非常に長い距離です。
雪がシトシトと降り積り、リンクは昨日の練習の時はツルツルだったのが、当日は雪でフカフカしていました。
やっとスケートに辿り着いたよ。気持ちよく滑ってゴールするぞ!
ランニングシューズも靴下も雪で濡れており、ランニングシューズを脱ぎ、靴下を履き替えてスケート靴に履き替えます。この時、スケート靴を履くのに時間がかかり、靴下を強く引っ張ってしまいました。これが致命的なことにつながってしまいました。走っている時に違和感があり、10周目で痛みが出現。靴の中で何かが起こっている。
途中、あまりの痛さに走り切れず座って靴を脱ぎ観察することに。なんと両足の内側の皮膚が破けて、3cmほど表皮剥離してしまいました。その場にあった養生テープをお借りして、足をぐるぐると靴下の上からテーピングして再度レースに参加。
スケート競技ではホワイトボードに自分の名前と番号、そして周回がわかるように数字が書かれています。
1周走り終えると、カウントをしてくださるスタッフが自分の番号に◯をつけてくれます。あと何周だよ!と言ってくれます。最後25周目にラストのサインとしてプラカードをもらい、そのままゴールに向かいます。
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リンクでお互いを励まし合い、滑走することができました
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ロスタイムが15分程度できてしまい、自分は完走できるのだろうか?焦りと不安になりました。気がつくと5周残っており15分しかありませんでした。これは時間がやばいかもと焦りだし、スピードを上げて滑走。そんな中、娘がゴールしたアナウンスが流れ、嬉しかったです。
私も次に続こう!
足が鈍く感じ始めたもの、なんとか踏ん張り続け、ラスト1周のゴールコールがかかりが、周りの応援が力強く感じられました。
最後はもうタイムも身体も限界ぎりぎりでしたが、終了5分前にゴールテープを切ることができました。
ゴールテープ
リンクやゴールにはたくさんの人が温かい声援で迎え入れてくださいました。司会進行の方はゴールした気持ちをインタビューをしてくださりました。
「親子で頑張ってきて完走できて感無量です」
なんとか無事に全ての競技を挑むことができ、達成感で満足しました。
唯一得意の?スケートで足のトラブルが発生してしまい後半戦も非常にハードでしたが、最後まで諦めずに挑戦し続けることができました。
表彰式では男女1位から6位の入賞者が発表され、個人、リレー、シニアの部の表彰がありました。
受賞者には素晴らしい豪華な景品が用意されており、昨年に続き驚きです。記録を聞いてさらに驚き。上位入賞者のスキーやスケートの様子を見たいと思いました。
そんな中、娘と私はなんと特別賞を頂けました。最後の選手にまで温かく声援をくださり本当に感謝しています。
たとえ完走できなくても、諦めずにレースに挑戦することや勇気が大切でありその過程の努力は人生の宝になると信じています。
氷上トライアスロンの魅力を伝えたい
一人でもこの温かい大会を知って欲しい、ぜひ挑戦して欲しいと思いながら自分のレースを振り返ってみました。
この大会を知った時にビビビときて「これは出たい!」と思った感覚が、子供も同じであったことに嬉しさを感じました。親子で同じレースに出場できるのもこの先、多くはないはず。
私は自分の親が他界しましたが、卓球やバトミントン、ランニングを一緒にしてくれて親子で楽しんだ記憶が今も思い出として残っています。今回娘と参加できて、大会のことをたくさん話すことができて、そしてスポーツができる健康な状態であることにも感謝したいと思います。
皆さんも興味を持ったなら、まずはエントリーしてみる。そこから初めてのスポーツでも数回練習すれば良いのですよ!3つの競技が得意でなくても、1つ好きなものがあれば良いし、苦手なものはそれなりにゆっくりやれば良いということがわかりました。
ちなみに私はスキーもランニングも初心者レベル、、、。スケートは速くはないが好き!
娘はスキー、ランニングは1年前に始めた初心者、スケートは2年間習っていて10年間滑っていないレベルでした。
長野県小海町の益々の発展を心から願います。この大会、今後も50年、100年と継続して欲しいです。
トライアスロン大会は全国、世界にもたくさんありますが、通常はスイム、バイク、ランの夏の競技。
氷点下の中でスキー、ラン、スケートとある冬の大会は世界中探してもそうあるものではないです。
伝統あるこの大会に参加することができて本当に幸せでした。スタッフの方々、スポンサー、ボランティア、
町の方に感謝したいです。ゴールした後の、温かくて具材たっぷりの豚汁は最高です。
そしてお稲荷寿司も美味しかったです。キッチンカーも出店されており、選手にはチケットのサービスもありました。ありがとうございます。
氷点下15度くらいで大変寒く、雪に恵まれた天候でした。
来年の大会は2026年2月1日に開催される予定だそうです。リピーターが多い大会であるのも納得です!
2世代、3世代と家族で参加できる大会です。個人競技もリレーも世代を越えて、仲間と楽しめる大会だと感じました。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
最後まで読んでくださりありがとうございます。