はいたい! めんそーれ(沖縄の言葉でこんにちは!よく来たね。)
はいさい! こちらは男性が使うのですね。
今日は、沖縄の友達からお話を聞きました。
その中で、育児休業を6か月取得したよということで、今日はその育児休業、特に男性の取得について焦点をあて、お話をしていきます。
育児休業制度
初めて耳にする方もおられると思いますので、用語の説明をします。
原則、子供が1歳に達する(最長2歳)までの育児休業の権利を保障しており、分割して2回取得が可能です。
これまでは、取得の要件が以下の2つでした。
①引き続き雇用された期間が1年以上
②1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでない
2022年4月1日には①の要件が撤廃され、②のみになりました。
育児休業の申し出があった時点で、労働者側は労働を継続するという意思を明確にしており、子供が1歳6か月までは働きますという方は取得できます。
休業中の就業は一切なく、育児に専念ができます。
仕事をお休みしているのですが、全くの無給ではなく、
育児休業給付金というものを頂けます。賃金の67%、180日経過後は50%と減ります。
男性・正社員の方が、育児休業制度を利用しなかった理由の一番は、
「収入を減らしたくなかった」が41%もありました。収入が半分に減るのが、ためらう原因になっています。
次に多い理由は、職場が育児休業制度を取得しづらい雰囲気だったから、または会社や上司、職場の育児休業取得への理解が無かったからが27.3%になります。
収入を減ることを見越して準備して生活をしていく覚悟が必要ですね。
出生時育児休業(産後パパ育休)
こちらは2022年10月1日に施行された、新しいものです。
子の出生後8週間以内に4週間まで出生時育児休業(産後パパ育休)の権利を保障しています。
2回に分割しての取得可能であり、育児休業とは別に取得が可能です。こちらも出生時育児休業給付金で賃金の67%を受け取れます。
2つの権利を合わせて取得できれば、ゆっくりと育児に専念でき、子供の成長がゆっくりと見れますね。
育児休業の取得率
「パパさんが育児休業をとっているよ!」という方がみなさんの周りでどれくらいおられますか?
私が出会った中で、6か月取得されたという方は、私の沖縄の友達が初めてでした。
小泉進次郎環境相が育児休暇を取ります!とメディアで取り上げられていましたが、2週間でした。それでも、日本人は驚いた人も多いのではないでしょうか。
日本全国にどれくらいの方が取得しているのでしょうか。
1996年から令和3年までの育児休業取得率のデータを調べてみました。
女性:1996年 49.1% → 2021年 85.1%
男性:1996年 0.12% → 2021年 13.97%
女性は2007年から80%台で推移しています。一方の男性は上昇してはいるものの、2019年まで一桁代。2020年に12.65%に上昇しました。そして、2021年は13.97%になり低い水準です。
取得期間と取得率
こちらは、女性と男性に分けて調べてみました。かなり気になりますね。
女性は2015年~2021年 95.3%が6か月以上取得しています。
男性は2015年~2021年 51.5%が2週間未満です。1か月~3か月未満の取得は24.5%。ここからはどんどん減っていきます。
2021年では、3か月~6か月は5.1%、6か月~8か月は1.9%、 8か月~10か月は1.1%、10か月~12か月は1.4%
12か月以上は0.9%と果てしなく少ない割合です。
長く取得できても、1か月~3か月ということが分かりました。
男性の正社員では、育児休業制度の利用を希望していたにも関わらず、利用しなかった割合は37.5%になっています。希望している全員が取得できていません。
実際に育児休業を取得した男性の多くは、出生直後に取得していることも分かっています。出生直後に休業の取得をすると、その後の休暇が取りやすくなることが期待されます。産後パパ育休を活用し、その流れで育児休暇を分割して夫婦交替で取得するのが理想的ですね。
さらに、
夫やパートナーの家事・育児時間が長いほど、妻の継続就業割合が高く、また、第2子以降の出生割合も高い傾向にあることが日本の調査で分かっています。
育児ハラスメント
育児休業を取得した男性が不当な配置転換や転勤を言い渡される、パタニティハラスメントがあります。
育児休業の申し出や取得を理由に、事業主が解雇や退職を強要、正社員からパートへの契約変更等の不利益な取り扱いを行うことは禁止されています。
ハラスメントの具体例では、上司に取得希望を相談したところ、「あり得ない!」「あほか!」など言われ、取得を諦めざるを得なかった。または、同僚からは「迷惑だ。自分なら取らない。あなたもそうするべきでは。」と言われて、追い込まれた。
ここで、一度は言われても、諦めずに、上司とコミュニケーションを図りながら熱い子育ての思いを伝えていくことも必要であると考えます。これまでは、企業や職場側も知識が不足しており、また自分の周囲に取得してきた人を見たことがない、など日本独特の考えに縛られて、上記のような発言につながっていることも考えられます。
諦めずに、交渉することや、普段からの人間関係を良好にしておき、風通しの良いものであると、受け入れやすいのかもしれません。
世界との比較
家族に優しい政策をしている国では、31の先進国の内、日本、スウェーデン、ノルウェー、アイスランド、エストニア、ポルトガルが挙げられています。その内、日本は男性が6か月以上最大1年の育児休業を取得できて、育児給付金を受給できる唯一の国です。しかし、取得率は一番低いのです。
取れることを知らない人も多いと思います。このような情報は、中学、高校などから教えていき、子供の時から自分も大人になったら、働きながら育児をすることが出来るということが身近になるでしょう。
ノルウェーの年間取得率は89%、スウェーデンは77.6%、ドイツは29.3%となっております。
父親や子育てに関わることのできる仕組み作りが、海外ではしっかりとできているようです。
ニュージーランドのアーダーン首相は産休、育休をしっかりと取得し、産後は国連総会に赤ちゃんを連れて参加していました。微笑ましい光景です。
少子化の予防のためにも、日本は海外の取り組みから学ぶことが多いと考えます。
企業の取り組み
この記事を書いているのが、2023年3月15日です。2023年4月1日から、施行されるものがありますので紹介します。
常時雇用する労働者が1,000人を超える事業主は、育児休業等の取得の状況を年1回公表することが義務付けられます。インターネットの利用や適切な方法で、一般の方が閲覧できるように公表することが求められます。
自社のホームページをチェックするや、両立支援のひろば(厚生労働省運営のウェブサイト)に掲載することになります。
これにより、その企業はどれくらい取得しているのだろうということが明確になるということです。
企業側は、育児休業取得を促進する動きが出てくるでしょう。
くるみん認定をご存じですか?
男性の育児休業等取得率で、育児休業が10%以上、または、育児休業+育児目的休暇20%以上の企業はくるみん認定を受けられます。
認定企業へは、優遇措置があり、助成金を受け取る、低利融資を受けられる、公共調達の加点評価や商品や広告にくるみんのマークを使用することができます。
トライくるみん→くるみん→プラチナくるみん の順に格が上がっていきます。その分企業にメリットがあります。
この「くるみん認定」のことは、過去に看護師国家試験模試に何回か出題されていますよ!
5年後、10年後と日本の男性が育児休業を取得し、積極的に育児に参加する割合が増えてくることを期待したいです。また、子育てが夫婦で協力し合え、楽しいものになりますように。ママの負担が減ると、少子化予防につながることも考えられます。
今日も最後まで読んで下さりありがとうございました。