こんにちは。最近、世界のあちこちで災害が起きています。
大規模な災害が起きた時に、自分の国だけでは対処できないことがあります。
そんなとき、世界が協力して助け合う仕組みがあることをご存じでしょうか。
我が国の国際救援に携わる救援機関として大きく2つあります。
1つは政府機関の政府•国際緊急援助隊 Japan Disaster Relief (JDR)
そして、2つ目は国際人道支援組織ジャパン・プラットフォーム
(43のNGOと日本赤十字社が参加団体として登録)があります。
現在トンガ王国で起きていること、そして世界が助け合っている状況をお伝えします。
前回の記事トンガの噴火と合わせてお読みください。
その続きのお話です。
国際緊急援助隊 Japan Disaster Relief (JDR)
「国際緊急援助隊の派遣に関する法律」JDR法が1987年に施行されました。
JDR法により、国際緊急援助隊が発足したんですね。
どんなチームがあるのでしょうか?
はい、5つあります。災害の種類や規模、被災国の要請に応じて、単独チームや、複数のチームを組み、支援します。
少し、詳しく見ていきましょう。
国際緊急援助隊の5つのチーム
- 救助チーム 警視庁、消防庁、海上保安庁の救助隊員から構成。被災地での被災者の捜索、救出、応急処置、移送などの役割があります。
- 医療チーム 国際協力機構JICAの国際緊急援助隊事務局に登録された医師、看護師、薬剤師などで構成。被災者の診療、治療、その補助を行う。感染症の予防や蔓延防止などの活動を行います。
- 専門家チーム 関係省庁や地方自治体から災害の種類に応じて推薦された技術者や研究者などで構成。災害への応急対策と復旧活動の指導を行います。
- 自衛隊部隊 陸、空、海のそれぞれの部隊から構成。大規模な災害が発生し、とくに必要があるとみとめられるとき、自衛隊部隊が派遣されます。
- 感染症対策チーム 疫学、検査診断、診療、感染制御、公衆衛生の4つの専門機能と自己完結型の活動を行うためのロジスティックスを合わせた5つの機能から構成。 感染症に関する幅広い支援を実施します。
自衛隊がJDRとして参加することになったのは1992年からです。その後、多くの国に支援を行っております。
派遣までの流れ
•国際緊急援助隊の派遣は、相手国または国際機関からの要請を受けてから行う「要請主義」に基づいています。これは、災害が発生した場合、被災国自身が救済に関して中心的な役割を担う責任があることや、被災国の事情や都合を考えない一方的な支援は、かえって混乱を招くおそれがあるためで、国連においても、人道援助は被災国の同意のもとに行うということが決議されているからです。
支援で大切なことは助ける気持ちなのですが、情報を得ないままに動くと、逆に混乱が起きて、救助がその国の迷惑になることがあるということです。
今回のトンガの噴火で、多くのかたが、支援をしたいと感じていたと思います。しかし、すぐに援助にいけなかったのは、トンガからの要請の連絡を待っていたのですね。
•被災国等から要請を受けた時は、外務省が国際緊急援助隊の派遣を決定しますが、派遣に係る手続きや資機材の準備などはJICAが実施しています。
•救助チームが派遣される場合、隊員は、上で紹介した、5つのチームから必要なチームが選抜されます。
特に救助チームは24時間以内に日本を出発することを目指しています。召集の号令がかかってから、24時間以内に海外に出向くというのは、並大抵のことではないと思います。日ごろからの訓練がここで活かされるのでしょう。
トンガの被害状況と要請内容
1. 被災状況
2022年1月15日13時頃(日本時間)
トンガ王国、首都ヌクアロファから北に約70kmに位置するフンガ・トンガ-フンガ・ハアパイ火山が噴火。
2022年1月19日現在(UN OCHA発表)
死者 3人
被災者 約10.4万人
(人口のほとんどが津波又は降灰被害にあったと推定)
倒壊家屋 150戸(トンガタプ島での全・半壊分。)
2. 物資供与の内容
水(飲料水3トン)、高圧洗浄機、スコップ、 一輪車(運搬用)、ポリタンク、ゴーグル
マスク、作業用手袋、リヤカー
3. 輸送方法
国際緊急援助隊・自衛隊部隊による輸送
航空自衛隊の自衛隊機C130輸送機により支援物資がトンガに届きました
1月20日にトンガより要請を受け、国際緊急援助隊のチームが組まれ、物資の準備が行われました。 その後、飛行機に積まれました。
そのときの、映像が防衛省 航空自衛隊より発信されており、詳細に状況が伝わりますので、こちらにシェアします。
22日にトンガのファアモツ国際空港に着いたとのことです。
ご苦労さまです。無事に到着し、現地の方々に届けられるまであと少しです。ありがとうございます。
やはり、そのスピードは速く、驚きます。こうして、世界が助け合い、命と生活を守ることができているのだと感じます。素晴らしいことです。
次は海上自衛隊が火山灰を取り除く
次の支援隊は、海上自衛隊の輸送を予定しています。高圧洗浄機を使用して、火山灰を取り除く作業が行われるのですね。
特殊な、洗浄機なのでしょうね。
新型コロナウイルスの感染も拡大しており、そして、火山噴火による被害があり、現地では大変な状況であると想像します。
どうか、被災者の方、そして支援に行かれている国際緊急援助隊の皆様、これから支援に行かれる方、
お身体をご自愛ください。1日も早く、復興できることをお祈りします。
最後まで読んでくださりありがとうございました。