この度、私は親の介護を本格的にしようと決めて、1年と数ヶ月。そして最期のお見送りをすることが出来ました。
この介護の人生の中で、親を愛おしいと思える瞬間が何度もありました。
母の旅立つを姉家族、弟家族たち、孫、ひ孫たちを囲んで一緒に過ごすことができたことも幸せだと感じます。
私たちの家庭は、親を囲んで3世代で暮らし、最後の時間を共に過ごしました。
自宅にはひ孫も訪れ、4世代がそろう貴重なひとときを共有しました。
孫は、祖母の好きな歌を歌い、手を握りながら毎日を一緒に過ごしました。
祖母は自宅という安心できる環境の中で、家族に囲まれながら穏やかな時間を過ごしました。
このような家族の温もりが、親にとって何よりの安心となります。
今日は在宅介護について私の体験や、そして一般的なことも含めて、希望ある介護の記事です。
1. 在宅看取りの選択
近年、日本では高齢化が進み、多くの人が人生の最期をどこで迎えるかを考えるようになっています。
従来は病院や施設での看取りが一般的でしたが、最近では「自宅で最期を迎えたい」と希望する人が増えています。
厚生労働省のデータによると、在宅看取りを選択する家庭が年々増加しており、それを支援する医療や介護サービスも充実してきました。
自宅での看取りは、病院とは異なり、慣れ親しんだ環境で穏やかに過ごせるという点が大きな魅力です。
しかし、家族にとっては医療・介護・精神的な負担も伴います。そこで、事前にしっかりと準備をすることが重要です。
例えば私は母に元気な時に生前整理ノートをプレゼントしました。いわゆる「エンディングノート」です。
そのノートには大切な人のために書き残しておきたい項目や、自分の生まれた時から、10歳ごとにどのような人生を送ってきたかを書くページがあります。
そして自分が動け無くなった時にどこで過ごしたいのか、葬式の希望や亡くなった後に連絡してほしい人のリストなどを記していました。
これにより、家族は母の意向を尊重しながら、落ち着いて見送ることができました。
このノートの存在が、家族にとっても大きな安心材料となりました。
2. 親を自宅で看取るメリット──家族にとっての幸せとは
親を自宅で看取ることには、いくつかのメリットがあります。
① 家族の絆が深まる
病院では限られた時間しか面会できませんが、自宅であれば家族がいつでも寄り添うことができます。最期の時間を共に過ごし、思い出を語り合うことで、家族の絆がより深まります。
② 本人にとって安心できる環境
病院や施設では、慣れない場所で過ごすことがストレスになることがあります。しかし、自宅であれば、愛着のある家具や家族の存在に囲まれ、安心して過ごすことができます。
③ 本人の意思を尊重できる
病院では医療方針に従う必要がありますが、自宅では本人や家族の意向を反映しやすくなります。例えば、延命治療を望まない場合も、在宅医療チームと相談しながら適切なケアを選択できます。
3. 在宅看取りの準備──医療・介護・心の準備
在宅での看取りを選ぶ場合、事前の準備が不可欠です。
① 医療面の準備
- 在宅医療を提供する医師を見つける
- 訪問看護ステーションに相談する
- 緊急時の対応について事前に決めておく
② 介護面の準備
- 介護サービス(訪問介護・デイサービス)の利用
- 介護用品の準備(介護ベッド・ポータブルトイレなど)
- 家族の介護負担を軽減するための役割分担
- 嚥下が難しくなってきた時のために痰を引くポータブル吸引機
③ 心の準備
- 本人の意向を尊重し、看取りに関する話し合いをする
- 家族全員で心構えを共有する
- 看取りに対する不安を和らげるための相談先を見つける
4. 看取りの瞬間に向き合う──家族ができること
看取りの瞬間に家族ができることは、決して医療行為だけではありません。
むしろ、大切なのは「穏やかに見送ること」です。
- 声をかける:「ありがとう」「大好きだよ」など、気持ちを伝えることが大切です。
- 手を握る:肌のぬくもりを感じることで、本人も安心できます。
- 好きな音楽を流す:本人が落ち着く音楽をかけることで、穏やかな時間を作れます。
また、最期の瞬間を迎える前に、在宅医療の医師や看護師と相談しながら、どのように見送るかを考えておくことも重要です。
5. 後悔しないために──心の整理と看取り後の手続き
親を看取った後、家族は深い悲しみの中にいます。
悲しい時はそばで思いっきり泣いてください。
これまで頑張って闘病生活を続けてきたことや生前の思い出をたくさん話しかけてください。
その後、家庭医、訪問看護師、葬儀屋に連絡すれば良いのです。
思い出を振り返りながら、少しずつ気持ちを落ち着かせていきましょう。
亡くなった後、葬儀場へ移動するまでの1日しか過ごせる時間はないのです。
役所での手続きなど、やるべきことはありますが、それは少し猶予がありますので後でもいいのです。ご遺体を見ながらのお別れは直後から1日しかできません。
親を自宅で看取ることは、決して簡単なことではありません。しかし、家族にとって大きな意味を持つ時間となります。十分な準備をしながら、最期の時間を大切に過ごしていきましょう。