こんにちは。
私が友達と再会したときに「宇宙飛行士に応募したよ!」とさらりと言ってきました。
JAXAが宇宙飛行士候補者を募集していた案内です。
2021年12月、JAXA宇宙飛行士候補者の募集がなんと13年ぶりにスタートしました。
昨日は最終選考に残られた2名の候補生がニュースで発表されましたね。
月や火星の探査を目指す「アルテミス計画」という新たなミッションに挑戦する新たな宇宙飛行士が誕生、大変嬉しいと感じます。
そのことについてお話しようと思います。
応募資格
宇宙飛行士に応募できるの?と皆さん思いませんか?
数々の職業がある中で、希少稀な職業です。一番少ない職業かもしれません。
今回は13年ぶりという、画期的な応募だったんです。私が友達から聞いたときには、すでに応募の申し込み日が終っていました。残念!
そう、心から行きたいと思っている人たちは、事前に情報収集をしており、アンテナを張り巡らしていたのです。そのチャンスのために、コツコツと準備を積み上げているのです。夢に向かい10年、20 年、30年と希望を持ち続けて努力している人がいます。
応募資格については「3年以上の実務経験と身長などの医学的特性を有すること」という条件が問われています。特に持っていないといけない必要な資格はありませんでした。
今回は、多くの分野からの募集があったことでしょう。
年代別で見てみましょう。
- 20代以下 811名 19.7%
- 30代 1,850名 44.8%
- 40代 973名 23.6%
- 50代 424名 10.3%
- 60代以上 69名 1.7%
10代の方から、60代以上まで、幅広い募集がありました。30 代が圧倒的に多いですね。
公表はされていませんが、70代、80代の挑戦者もおられたかもしれません。
マイナス1次試験という呼び方は私がつけてみました。スタートラインに立つための関門があるのです。
- 20代以下 483名 21.3%
- 30代 1,084名 47.8%
- 40代 513名 22.6%
- 50代 163名 7.2%
- 60代以上 23名 1.0%
- なんと60代が23名選考されていて、夢は持ち続ければ近づけられるという勇気をもらえます!出願するということからのスタートであり、書類選考に残ったということは期待と希望があります。
試験内容は英語でTOEIC Speaking&Writing テストのようなものを受けます。何点以上と合格基準は公表されていないようですが、ある程度の高得点を越えていることが必要です。
宇宙飛行士候補者は、世界の宇宙飛行士のメンバーとチームを組むために、英語が必須ですね。
そのためまずは英語試験によって、一定の英語の能力を保有しているかの評価があります。
円滑な意思が図れる英語でのコミュニケーションが必要となります。
- 20代以下 61名 29.8%
- 30代 107名 52.2%
- 40代 31名 15.1%
- 50代 6名 2.9%
英語試験を合格した1,407名には、次に数々の試験が行われました。
- 一般教養試験
- STEM分野の試験
- 小論文
- 適性試験
宇宙飛行士にとって必要とされる人文科学・社会科学分野を含む広い素養・知識や論理的思考が評価のポイントになっています。
今回の募集では、理系の学歴を持つ人を中心とした自然科学系のバックグラウンドを持つ方以外にも初めて応募資格が広がったことを受け、STEM分野の知識も新たな評価ポイントとなりました。ちゃんと理系分野の能力も組み込まれて、試されていますね! 最近、STEM 分野の能力を求めてくる試験や応募がありますよ。
そして審査の結果、第0次選抜を通過したのは205名が一次試験へと進みました。
2022年7月中旬から8月上旬にかけて実施した一次選抜では、さらに検査や試験が実施されました。
- 一次医学検査
- 医学特性検査
- プレゼンテーション試験
- 運用技量試験
- 資質特性検査
医学検査、医学特性検査は一般的な身体の検査に加え、パイロットに必要な視覚検査や心肺機能、心臓の検査、脳波検査、精神疾患、心理検査の有無などなど細かいところまで検査されていると考えます。
運用技量試験では、宇宙飛行士に求められる空間認識能力は有名ですね。
図や写真を見て、ブロックをすぐに積み上げて作るとか、ブロックが何個で完成しているとか、空間の構成も頭で描けるかどうかを見ているのだと考えます。この試験を受験したことがある方からの情報では、制限時間内にどれだけ正確に多く答えられるかという問題のようです。方向も正確に答えます。
資質特性検査では、3人または4人のグループでグループディスカッションを行います。ある課題に対して短時間で資料を読み込み、ディスカッションを通して情報分析やアイデアを出しつつ、グループとしての答えを導き出すという検査です。
緊急事態の情報が与えられ、どのように判断するのか、リーダーシップや協力が求められています。
2次試験の合格者 10名
第2次選抜では、二次医学検査や医学特性検査、面接試験(英語、資質特性、プレゼンテーション)が約1週間かけて行われます。
ここまで残った10名の方は、きっかけは様々だと思いますが、宇宙飛行士になる夢を長年に渡り、持ち続け、本当に絶え間ない努力を続けてこられた人でしょう。
最終選考まで残った方の中には、今回JAXAには入社できないとしても、宇宙飛行士という道が途絶えたわけではなく、また新たな道が開けているでしょう。企業が求める宇宙飛行士の道もあります。さらにもっと良い条件で夢に近づけるかもしれません。
3次試験と合格者の未来
国際宇宙ステーション(ISS)での活動をはじめ、月周回有人拠点「ゲートウェイ」や月面活動などの様々なミッションへ参画することとなります。
令和5年4月1日 :JAXA入社
令和5年4月以降 :オリエンテーションの後、基礎訓練を通じて必要となる科学・技術の知識、ISS「きぼう」や国際宇宙探査等に係る知識や技量を修得し、それらの訓練結果を評価のうえ、JAXA宇宙飛行士に認定されます。
昨日の時点では候補者ですね。
諏訪 理 (すわ まこと)様
米田 あゆ (よねだ あゆ)様
これからの未来に期待が膨らみます。またこの2名だけではなく、今回チャレンジした方の生き方から私たちは学ぶことがたくさんあります。
運は奇跡ではなく、地道に努力をしている人のところにやってくるのだと思います。
そのような人たちは、夢に向かって、コツコツと努力をして、チャンスがやってきたらそれをつかみ取る!
チャンスを逃さないためには日ごろからの情報収集も大切であり、人とのつながりや、様々なことにチャレンジして、経験や考え方をどんどんと広げて、柔軟な思考が出来るようになっているのだと考えます。本気で目指したいのなら、次の募集がいつかは分かりませんが、その時が来るまで、人生経験を行い、多様性をみにつけながら、経験値を積み上げ、試験対策も行い、体力、精神的にも鍛えていくことが必要でしょう。
日本だけ、自分の地域だけにとどまっていては、気が付かないことが多々あると考えます。
今日も最後まで読んで下さりありがとうございます。
参考・引用文献 https://astro-mission.jaxa.jp/astro_selection/report/about/