シンチャオ! 今日も引き続きベトナムシリーズのお話です。
今日は、医療について、私が現地に住んでいる日本人の4名とベトナム人1人からお話を聴くことが出来ましたので、そのことについてまとめていこうと思います。
ベトナムで病気になったとき
私が訪れたホーチミンについてのケースです。
日本からホーチミンに住むことになったYさん。インタビューの内容です。
来た頃は、何が不安だった?
ベトナムで病気になったらと思うと不安でした。ことばが通じないからどこの病院に行けばよいのか、どうやって受診したらよいのか、お金はいくらぐらいかかるのだろうか? いざ、子供や自分が病気になったときの状況を考えると不安になってました。
と話していました。
初めての環境で、日本語が通じず、病気の対応が心配ですね。実際にどうされたのですか?
子供が熱を出して、病院に行かないといけなくなりました。医療保険に加入していたので、その保険のサービスに病院の紹介や受診時の通訳が含まれていて、大変助かりました。病院名を教えてもらい、そこに行くと、ベトナム語と日本語のできる方と電話でお話をしながら、案内を受けて、受診をすることができました。医師の説明も通訳を通してもらえたので、助かりました。それ以後は、もし病気やケガをしても病院に行けるという思いがあり、安心して生活しています。
ベトナムでは「ウェルビー」 Well Beという保険が役立っていると話していました。
海外での生活において、保険加入は必須ですね。高価なものかもしれませんが、日常を安心して暮らすということにつながると思います。
ベトナムの医療保険制度
さて、ベトナムの方の医療制度についてはどのようになっているのでしょうか。
ベトナムでは、平等の精神に基づき、強制皆保険制度(VSS)があります。これは国家が健康保険法に基づいて運営する強制加入保険です。加入した者は健康保険基金から保障対象の医療費が支払われます。
受診方法
公立医療機関は、症状にあわせて患者を紹介し合うリファラルシステムがあります。
- 第1次(郡レベル)
- 第2次(省レベル)
- 第3次(中央レベル)
下位から上位への三層構造となっています。まず各地域のコミューンヘルスステーション(診療所)が軽度の患者を担当し、上位の医療機関が重度の患者に対応するといった医療機関の役割分担を実現しています。
しかし、各地方省の財源は乏しく十分な予算を配分できず、省病院の多くは施設・機材とも不十分で、医療従事者の質・量 ともに不足しています。また、富裕層等を中心にレファラルシステムを無視して上位レベルの医療機関に患者が過度に集中し、中央の拠点病院においては患者の一極集中が進んでいるのが現状のようです。
サービスの質の向上と医療システム全体の機能充実が大きな課題になっています。
ベトナムでの出産
ベトナムにはフランスやシンガポールなどの外資系の私立病院がいくつかあります。
そのひとつ、ホーチミンにあるフランス系の病院では医療サービスが充実しており、海外からの患者さんが多く来院します。産科の分娩サービスでは、出産前検査から個室ベッド料金込みで退院までも含めてパッケージになっており、50万円~55万円(約2000USD)になります。妊婦検診は18回~19回あります。サービスは日本と同じものがあります。分娩様式は帝王切開が多いようです。
一方、ベトナムの公立病院の基本的な分娩は、健診回数が少なく入院期間は1泊2日が基本スタイルで、日帰りもあります。保健指導や栄養指導は特に行われず、新生児の哺乳状態の観察まではできないようです。費用は20,000円~30,000円です。こちらは8人部屋が基本のようです。健診と個室ベッド料は追加になります。
ベトナムの文化では妊婦さんが体重を増やすのはとても喜ばれることで、どんどん食べて太るのよ。お母さんが増えた体重は赤ちゃんの栄養になるという考え方があり、20kg増加しても問題とされないようです。(ベトナムのお友達情報)
妊娠期に体重過多となることは、高血圧や糖尿病にもつながり、ハイリスク分娩になります。
今回、ベトナム式と外資系の病院が取り入れている日本式の分娩様式には考え方が異なり、それによりサービスの充実にかなりの差があることが分かりました。
ベトナムで暮らす方の中には、高額な分娩費がかかっても、妊娠から出産にはお金をかけて質が高いものを求める人も多いと感じます。また富裕層の方は私立病院のサービスを求めて、ベトナムで出産を迎えることも分かりました。
ベトナムの公立病院における分娩の仕組みが今後、母子の安全面を守ることを考えて、良いものを取り入れて少しずつ変化してくるようになることを期待したいです。医療サービスの水準が高くなれば、私立に集中することも軽減するのだろうと考えますが、そこがベトナムでの課題のようです。
ベトナムで行動を起こす
今まで遠かったベトナムが、かなり身近になりました。
今回、私はベトナムを堪能するという中で、医療と子育て、教育についてアンテナを張って旅してきました。
ベトナムで暮らす友人、ベトナムで出会ったベトナム人の方、これから出産を迎える日本人、ベトナムで働く日本人医師の4名の方から直接お話を聴ける機会がありました。これらは旅行ブックには書かれていない生の声であり、大変貴重だと感じます。
①フットワークとても軽い親友Yに、
実はベトナムの病院を見に行きたいのよ。
行けるよ!今から行こう!
といってくれました。びっくり!
な、なんと
実際にベトナムの私立の病院を見学し、最先端の医療を取り入れていることも分かりました。病院の入口には通訳デスクがありました。入口に医療通訳が整っている病院には安心して行くことができますね。
②また、別の時間帯には
ベトナムで出産する妊婦さんや小さい子を育てているお母さんからお話を聴きたいのよ。
いいよ、任せて! 今から連絡とってみるね。
③ベトナムで活躍している医師、歯科医師とつながる
ベトナムで働いている医療スタッフの方に話を聴いてみたいのよ。
OK!知り合いにベトナムで働いている医師や歯科医師の方がいるから連絡とるよ。
なんて、行動が早いの? 自分が発言したことに対して、数分~数時間でリスポンスがある状態にも驚くし、それがスピーディにかなうこの状態は一体全体どうなっているのだろう?と自問自答していました。
旅先でも、勇気をもって発言することの大切さを感じました。
そして、それを叶えようと連絡を取って動いてくれる親友夫婦の行動に驚きました。感謝します。
きっと、私が何も言わなかったら何も起きていないはず。
ツアーでは味わえない、何が起こるか分からない貴重な旅行でした。
帰国してから文献を調べ、それを多くの方に共有することが自分に出来ることかなと考えます。知識が広がっていきます。
自分で見て、確認して、他の場合はどうなのかな?とつなげて調べることは面白いです。
今日は医療についてのお話でした。
最後まで読んで下さりありがとうございました。