子育てのヒント

photo of man in raising baby under blue sky
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人を育てるとは

中村恒子さんという精神科医の女性が書かれた本があります。

タイトルは「心に折り合いをつけてうまいことやる習慣」 

中村先生は1929年にお生まれです。

現在93歳です。なんと、90歳まで病院で現役のドクターをされていました。病院で患者さんの診察をしていました。

以前に紹介したスーパーエイジャーの一人ですね!そして人のためになることを続けています。

中村先生の書籍のなかで、人生の経験をたくさん語ってくださっているのですが、子育てについて印象に残ったことを紹介したいと思います。

なんにもできない小さな赤ん坊を一人前の大人に育て上げることは一筋縄ではいかないし、その過程で親にも多くの課題が訪れます。思い通りにいなかいことばかりだし、思わぬアクシデントもある、腹が立つことも、不安になることもある。自分のやりたいことになかなか時間を割けないこともあるでしょう。

そんな中で己の愛情や体調、また家族やまわりの人とどうやって付き合っていくか、その術を学べたと思います。親もたくさんの経験をして、どんどん人間として成長していくんです。

それが、仕事やその後の人生で大いに役に立つわけです。

つまり人間というのは、「人を育てる」ことで、自分自身を育てていくんやと思います。

例えば、人は口先だけで注意しても言っても動きません。真剣に腹の底から出した言葉やないと、心には響かんし、行動も変わらへんのです。何より、人に注意したことが自分でできてへんというのは、よくないですわ。

子供も、大人の行動や本心を全部見抜いてます。だから、彼らを変えるにはまず自分が変わらんといけません。そんなふうに、人を育てていくことで自分の人間としてのあり方にも気づいていくようになるんです。

泣くことしかできなかった赤ん坊が、一人でたてるようになって、言葉を話すようになって、学校に入学して、思春期を迎えやがて大人になっていく。その一つ一つは課程は、どんなドラマや映画よりも感動的です。

さてさて、私も二人の子供を育てているのですが、日々子供から教えてもらうことが沢山あります。

子供の頑張りをみて、励まされることがあって、自分もがんばろう!って思えることが何度もあります。

子供のがんばっていく姿を見れることは幸せなことです。逆に子供も親の姿をよく見ているのだと思います。心から子供の幸せを願い、真剣に考えて行動していけたらと思います。

子育てが子供自分自身を育てていることであるということは、何となくわかってはいたけれど、改めて言葉で説明してみると中村先生の言葉がすっと入ってきました。

また、小児科の先生からのメッセージがとても印象に残っていますので、紹介したいと思います。

完璧な親なんていないです。子育てはトライとエラーを繰り返しながら歩むもの。その道のりを楽しんで欲しい。親は社会を支える人間1人を育て上げるわけで、こんなにクリエィテブで夢のある仕事は他にはない。その楽しさそ困難さを自分たちだけで抱え込まず、社会と分かち合う。それが子育てを楽しむ心構えとして大切。

子育てを↑こんな風にほめてくれる先生。勇気がでます。嬉しくなります。

1人で育て上げようと思わずに、周りを頼れば良いのです。

また、困っている親がいれば、親に寄り添う気持ちをもったり、子供に向き合って話を聞いていく。

本当に困っているのであれば、家庭の情報を公的機関につないでいくことも必要です。

国境、国籍を越えて、地域で社会で助け合って、子育てをしていける環境作りが大切であることも感じます。

子離れの時期がやってくる

子供はいつか巣立つときがやってきます。中学生からアイデンティティを意識し、高校ではアイデンティティが確立されてきます。しだいに親離れを始め、20歳前後で自立していきます。

中村先生の著書の中で、

子育ての時期に親が関わるべきときにしっかり心を込めて関わっておいてやると、子供は安心して巣立っていくもの。寂しいから、いつまでも子供にひっついて手放したくない。いつまでも親の言うことを子供に聞かそうとする。子供が成人して結婚してからでも、親として濃密にかかわろうとする。そんな依存的、支配的な親が、子供の自立をはばんでいることが多いみたいです。そうすると巣立ちが上手くいかず、いつまで経っても一人前になることができなくなる。子供の場合は、下手したら引きこもりになったり、心の病を発症したりすることもあります。

さらに

成長とともに全部ではなく、ちょっとずつ手放していかないと、人の成長が止まってしまいます。子供の場合でいうと、思春期から少しずつ子供の人生と自分の人生の重なりを外していくことが必要なんですわ。成人するころには、親の人生と子供の人生の重なりはすっかりなくなる。親の人生と子供の人生とはまったく別物になる。

親子なんだから、親子というつながりは残っていて、子供の人生と親の人生の輪は完全に離れるけれど、そこには橋が架かっていて、時々行ったり来たりできる

親はその橋を渡って、たまに遊びに行かせてもらえばよい。ただし、ノックが必要。いくら子供の人生だからといって、土足で無遠慮に踏み込んだらあかん。

なるほどなるほど!橋か!

親がそのことをしっかり認識していたら、子供がらみの人間関係の悩みはほとんどなくなるのではないでしょうか。

自立した子供の人生に、親が無遠慮に入りこもうとするからいろいろトラブルが起こってしまう。

なるほどなるほど! この考え方はすーっと入ってきました。

子供と親は橋でつながっていて、必要なときに子供の人生におじゃまさせてもらう。

必要以上の過干渉にならないようにするためにも、日ごろから、自分の生活を仕事や趣味で充実しておくことは大切やなと思います。そんな中、子供との共通の趣味で、時々つながることはそれこそ素敵な時間だと感じます。

長男がこの春、巣立ちました。国防のために懸命に毎日がんばっている姿を誇りに思います。そして健康で過ごしてくれる日々を思い、遠くから見守っております。私たち家族は、次に会える時を楽しみにして過ごしています。

今日も最後まで読んで下さりありがとうございます。

引用参考文献

「心に折り合いをつけてうまいことやる習慣」
 中村恒子 すばる舎 2021年12月22日 第20刷発行
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