サワディー カ!(タイ語でこんにちは!)
昨日から、タイ語に触れることが多くなりました。
あと2か月後に、タイに留学に行く高校生が我が家にホームスティに来ています。
タイがぐんと近くになりました。その子を通して、たくさんの刺激をもらっています。
私たちは、自分の行動は自分で決めているのですが、そこには自分を取り囲む環境や人と物の刺激により、
行動していることが多いという、人の脳の性質の話をしていこうと思います。
プライミング効果
脳科学で、「最初に私たちが受けた刺激で、行動が変化する脳の性質」にプライミング効果というものがあります。
私たちは、自分の行動や決意は全て自分で考えて決めていると思い込んでいるのですが、実際のところ
周りの環境や周りから受ける刺激により行動の道筋はかなりの影響を受けていることが多いのです。
例えば、夕ご飯のメニューを決定するときに、今日の夜のメインメニューは何にしようかな?と考えて「牛丼にしよう!」と決めます。
自分で今、考えて決めたと思うのですが、どこかで無意識に牛丼に関する情報を見ているかもしれません。
その決める前の出来事を遡ると、街にある看板でちらりと見た、コマーシャルで牛丼の広告を見た、人から牛丼という言葉を聞いた、スーパーで見た、テレビで牛丼と食べているシーンを一瞬見た!などがあり、そのことが結びついて決めているということです。
しかも、直前に見たものがそのまま影響されることが多いのです。
プライミングは2種類あります。意味的プライミングと知覚的プライミングです。
意味的プライミング
意味的プライミング(semantic priming)は、課題に関係した意味的知識を直前に与えられることで、それに続いて示される情報の意味処理が促進されていきます。
絵や図に加えて、そこに文字が付け加わると、脳内イメージが変化していきます。
ターゲット刺激の直前にプライム刺激と呼ばれる単語を見せていきます。プライム刺激が意味的にターゲット刺激の単語と関連しているとき、反応時間が短くなることが分かっています。
例えば、白い紙に〇を書いたもの(ターゲット刺激)に、
Aは「とまと」 もう一つのBは「だるま」という(プライム刺激)を添えてイメージしてもらいます。
Aの方は、赤い果物をイメージしていきます。
Bの方は、〇を2つ重ねて、上の〇には目や口が付け加えられていきます。
この意味的プライミングが起こった時には、意味記憶の想起に関連する左前頭前野の活動が普段より少なくなります。これは、それほどの労力を要さずに記憶を想起できていることを反映しています。
この方法は、暗記する作業に効果的に使えます!
知覚的プライミング
知覚的プライミング(perceptual priming) または反復プライミングとも言います。
これは、ノイズなどで判別しにくい刺激(ターゲット刺激)を提示する直前に、意識できないほどの短い時間でノイズなしの刺激(プライム刺激)を与えると、ターゲット刺激の識別率が向上するというものです。
じつは、右後頭葉を損傷すると視覚プライミングが生じなくなることが分かっています。
また、健常者でも、知覚的プライミングが起こるときは、高次の視覚領野の活動が低下するという報告があります。つまり、知覚がより容易に行われていることを意味します。
学習や生活に役立てる
プライミング効果のことを私たちは理解しておくと、上手に活用することができて、生活や行動、考え方にプラスに働くことができます。
夢や目標を紙に書いて、見える場所に張り付けて、何度も無意識下ですりこんでいきます。
自分の部屋や、家の洗面所、トイレなど生活する場所に刺激となるものを置いておくのです。文字だけでなく、写真、本などでも良いです。日常の行動が気付かないところで影響を受けていくことにつながります。
私たちは、自分の考えや行動をコントロールできると考えますが、実際は様々なバイアスの影響を受けています。これは、悪いことでもあり、良いことでもあります。
環境は人生を歩んでいく上で、とても影響力があり、大切なものであると感じます。
影響力が強いものは、その特質を理解して、うまく使うと、生活、社会、人生に良い影響を及ぼすと考えます。
自分や他人や組織を理解できると、見えてくる世界が変わるのではないでしょうか。
人生の糧となるもの
子供が3歳の時に、ある詩に感銘を受けました。
私はその詩を手帳に張り付けて、13年間、何度も何度も読んでいます。
私の子育て、生活、人生の糧にしています。
紹介します。
けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる
とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる
不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる
親が他人をうらやんでばかりいると、子どもも人を羨むようになる叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる
広い心で接すれば、キレる子にはならない
誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ
認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる
分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
やさしく、思いやりをもって育てれば、子どもは、やさしい子に育つ
守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ
和気あいあいとした家庭で育てば、子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる
作 ドロシー・ロー・ノルト
今日も最後まで読んで下さりありがとうございました。