チャオ!
家族が在宅で過ごしていたのですが、少し元気になり治療を望み、セカンドオピニオンを受けることになりました。
その出来事を通して、本人が望む人生、命と向き合うことについて考えました。
セカンドオピニオンとは
現在、自分が受けている治療が妥当であるかどうか、もう一度、主治医以外の医師に確認することができます。
別の専門家からの意見を聞くことで、新しい情報や選択肢を知ることができ、よりよい決断をすることにつながる可能性があります。
これらは、自分自身の健康や、残された余命を考える上で重要な決定をする場合に特に有用と考えます。
しかし、必ずしもセカンドオピニオンが正しいとは限らないため、注意が必要な時があります。
最終的には、自分自身がよく考え、医師とよく話し合って、最善の治療方法を選ぶことが大切ではないかと考えます。
セカンドオピニオン費用と受けるまでの流れ
セカンドオピニオンを受けるのは、病院によって費用が異なりますが、決して安いものではないことが分かりました。
医療保険の適用外で、自費になり、かなり高額です。今回、家族が受けたものは45分で31,000円でした。
病院によって異なり、部分的に保険が適用されることがあるかもしれません。事前に、病院のホームページや主治医から情報を得ると良いですね。
- 主治医にセカンドオピニオンを希望することを伝えます。 このとき、どのような専門医に相談したいか、また相談したい病院がある場合は、主治医に伝えておくとスムーズです。
- 自分で病院や医師を選ぶ場合は、インターネットなどで情報収集を行います。病院のWebサイトなどで、専門分野や診療内容、セカンドオピニオンに対する受付の有無、費用などを確認し、自分に適した病院や医師を選びます。
- 病院や医師に直接相談する方法は、電話やWebサイトの問い合わせフォーム、メール、直接受付に行くなど、病院によって異なります。相談の際には、自分の病歴や現在の状況、受診希望の専門分野や医師名などを伝えます。
- 病院や医師によって異なりますが、セカンドオピニオンを受ける場合は、通常は医師と本人、そして家族がお話をしていきます。前回の診察やこれまでの検査結果なども提出する必要があります。
- 医師から現病状について、適切なアドバイスや治療方法を受け取ることができます。この結果をもとに、自分自身で適切な治療方法を選ぶことができます。
- セカンドオピニオンで話しあった内容については、主治医にお返事が返されます。そこで、本人の希望を主治医に話をして、今後の治療が再度決められます。
実際のセカンドオピニオン
今回、私は家族の付き添いで、一緒に説明を受けました。本人と本人以外の1名が受けることが出来ます。
家族で相談し、これまでの経過を一番に理解している私が付き添いをさせていただくことになりました。
窓口では、身分証明証で本人確認がありました。
会計は前払いでした。
セカンドオピニオンの内容によっては、納得出来ずに払わないぞ!という方がでてくるのでしょうか。
そのシステム。なんだか、病院で前払いなんで初めてだったのもありとても距離を感じてしまいました。
時間になると、待合室まで、先生が迎えに来てくれました。
いよいよ診察室に入り、先生とお話しをしていきました。
このセカンドオピニオンを受ける経過は、家族が病気を患い、抗がん剤治療を受けてきて、一度は良くなりました。しかし1年も経過しないうちに、再発してしまい、再度抗がん剤の治療を受けました。その治療の途中で、状態が悪くなり、治療を中断しました。痛みと吐気、倦怠感に襲われる日々でした。
本人は、病院を退院し、1日でも早く家に帰りたい。そして治療をせずに自宅で過ごしたいと希望し、痛み止めを使いながら、過ごしていました。その内、少しずつ好きなものを食べて、元気になってきて、意欲がでてきました。
そのような中、本人がテレビを見ていると、同じ病気の治療で、治った患者さんのことを知りました。本人は、自分もその病院に行き、治療をしたいという新しい希望が出てきました。主治医とも話しをし、今回新しい治療ができるのかの意見をもらいに行きました。
主治医に経過を書いてもらい、病院とのやりとりをして、実際にセカンドオピニオンを受けるまでに1ヶ月かかりました。
また他にも何か出来る治療がないだろうかと期待していました。しかし、残念なことに、セカンドオピニオンの話の中で、まず冒頭で、その治療は適応外と言われてしまいました。
なぜなら、侵襲の大きい治療であり、年齢制限がありました。私の家族はその年齢を越えており、リスクがかなり高く、勧められないということでした。
今後、治療を受けるなら、これまで受けてきた治療と同じものになるとも言われました。
病気が進行してきており、痛みが強く出現しているため、治療をしながら痛みを取ることをする。または、積極的な治療を受けずに、痛みのコントロールをしていく方法があると。前回、抗がん剤を開始して、あまりにも倦怠感が強く、途中で中断をしました。
あの治療と同じかあ。辛いなあ。
治療をするのか、しないのかの2択。
本人も私も医師に質問をいくつか行い、先生の考えを聞けました。
またこの病気の症例論文とこの病気がたどる様子、そして治療のチャートを付けてくださいました。そして、車で4時間かけてやってきた病院を後にしました。
セカンドオピニオンを受けたことから考える
なんとも、気力を無くしてしまった家族の後ろ姿が、とても小さく、悲しく思えました。私も辛かったです。
しかし、現実を受け止めないといけないことも分かりました。
残された時間をどのように過ごすのか、家族、親族が15人ほど集まり、また主治医にも経過を報告しました。それぞれが意見を話し、そして本人の気持ちをゆっくりと聴く時間を作りました。
本人の口から出てきた言葉は、次のものでした。
「残された時間はどれだけあるのか分からないが、入院して積極的な治療は受けずに、自宅で暮らしたい」
本人の望むことを叶えよう。私たちはそう考えます。
セカンドオピニオンを受けて、魔法のような治療は見つからなかったし、苦しかった同じ治療を受けないといけない現実を知り、希望が薄れました。
しかし、その代わり、時間を大切に使うことを考えるようになりました。私たち、家族はターミナル期にある家族と向き合い、残された期間がどれだけあるのか、誰にも分かりませんが、本人の希望を叶えていきたいと、そう強く思いました。
そして、自分たち自身についても、毎日の生き方、生と死を考えることができる機会になりました。
キュブラーロスの言葉を借りると、
死に直面するということは、生命のより素晴らしい境地に目覚めることであり、受容とはいわゆるあきらめではなく、積極的に生と死のプロセスを肯定し、死を成長の最終段階としてとらえ、魂の希望を見出していくことである。
キュブラーロス
死について考えることは、いかによく生きるかを考えることにつながると感じています。
アドバンスケアプラニング: 人生会議
人生の最期をどのように過ごすかについて、本人と家族や身近な人や医療者側と話し合い、具体的な決め事を関係者の間で確認していくことを、アドバンスケアプラニング(ACP: Advance care planning)と言います。
患者本人と家族、医療チームが対話を通して、その人の信念や価値観、死と生の思い、希望などを共有していきます。本人が最期に自分の意思決定が出来なくなった場合でも、本人の意向を汲み取り、本人が望んでいるケアを受けることができるように関わります。
1人1人のこれまでの生活、経験してきたこと、その人生を丸ごと受け入れて、人生の最期まで豊かに過ごせるように関ります。そのために、意思決定内容を共有する取り組みです。
なんと最近は、入院すると全患者さんにACPを確認してくれる病院があります。
これらは2018年に厚生労働省から公表されていますので、みなさんもぜひ、確認してください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02783.html
私が主催で開いている朝活では、この1週間を通して、メンバーが実体験を語り、生と死について考える時間が出来ました。そして、身近な人を大切にする時間を作ること、毎日感謝して生きる事なども再確認できました。生と向き合うと涙も出てきます。
これらは、ターミナル期だけではなく、元気なときに考える時間を日ごろから作っておくと良いと思います。
未来のことを気にすると不安になる、心配になるから考えなくてもよいという人もいるかもしれません。しかし、死は明日、1週間後、1年後と突然にやってくるかもしれません。1年に1回でも、自分や家族と向き合う時間を作る、そこからスタートですね。
大切な人生を大切な人と送るために。あなたも人生会議してみませんか?
私も、生前整理ノートを書いてみようと思います。
私に万が一のことがあったときに、家族に見てもらえるようにしておこうと思います。
今日も最後まで読んで下さりありがとうございました。