子育て脳は誰でも育める

father raising baby up on beach

Chao chi ! (チャオチ。ベトナム語で、おはよう)

3月17日の18時から岸田首相が首相官邸から子育て支援・少子化対策について記者会見を開きました。

丁度、15日と16日の2日間、朝活で育児休業についてや男性の育児休業取得について話していたので、まさにタイムリーだなと感じています。今日は会見の内容と、親になることで、変化することをテーマにお話しをしていきます。

目次

男性の育児休業取得率30年に85%へ

本日(2023年3月17日)、岸田総理が発表した内容は、男性の育児休業取得率を2025年に50%へ、2030年に85%とする目標を打ち出しました。なかなか上昇しない理由に、所得が減ることが理由の1番でした。

所得が減るから、育児休業を取得するのを辞めていることの対策としては、本日

「産後の一定期間に男女で育休を取得した場合の給付率を手取りの10割に引き上げる」と発表しました。

これまでは65%(または50%)でしたので、これは、収入の減給を気にして取得出来ていなかったことが解消されることになります。男性も女性も取りやすいですね。

少子化対策の基本理念に以下の3つを掲げました。

1.若い世代の所得を増やす

2. 社会全体の構造や意識を変えること

3.全ての子育て世帯をライフステージに応じて切れ目なく支援すること

2030年に入るまでの6~7年間が少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスであり、そのための政策を打ち出したということです。大きな転機になるでしょう。

以下の記事は3月15日に掲載したものです。合わせてお読み頂けましたら流れが分かるようになっております。

愛情ホルモン

ここからは、子育てについて脳科学的なことも含めてお話をしていきます。

子供を愛して世話をするためには、スキンシップが必要です。

スキンシップと言っても特別なことは何もなく、肌へのタッチング、だきしめる、抱っこし話しかけるなどの当たり前なことです。

このスキンシップを行うと、脳内にオキシトシンというホルモンが分泌されるのです。

オキシトシンが分泌されると、穏やかな気持ちになり、相手に対して愛情を深める働きをします。

そして、脳の扁桃体の過剰な興奮を抑えるという働きをするので、恐怖心を減らし、安心感を高めていきます。

このオキシトシンは、双方に分泌されるというところがすごいのです。スキンシップをしたほうだけでなく、スキンシップをしてもらった方にも分泌します。しかも、男女は関係ないのです。男性がスキンシップをすると、もちろん男性にも分泌されるのです。

オキシトシンは愛情ホルモンと呼ばれています。

子育てがぎくしゃくしているときや不安になっているときは、スキンシップを増やしてみるとよいですね。愛情ホルモンが分泌します。気持ちが落ち着き、親と子の愛情が深まってくるでしょう。子供を抱きしめると、子供は親の愛情をしっかりと感じ取ってくれるでしょう。

親になると脳が変化する

最近の脳科学研究では、女性は母になると子育てに必要な能力が高まってくるという結果がでているようです。この高まった能力のいくつかは、そのまま老年期まで続くということが言われています。これは驚きです。

女性は妊娠期から産後にかけて、体内ではエストロゲンとプロゲステロンの女性ホルモンの分泌量が徐々に増加します。このホルモンは出産直後に、急激に減少します。そして、同時に乳汁を作るプロラクチン濃度が上昇し、射乳を促進するオキシトシンが分泌します。短期間に、女性の身体は劇的な変化をしています。

エストロゲンとプロゲステロンが増加すると、女性の脳では内側視索前野の神経細胞が大きくなります。そして神経信号を受け取る樹状突起の数が増え、長さも伸びることが分かっています。この内側視索前野は、養育行動を促す働きをする部位です。ラットの実験では、内側視索前野を抑制すると、わが子を攻撃するようになる結果があります。つまり、内側視索前野の神経細胞が大きく変化しているので、攻撃の反対で、子供に関心を向けて穏やかに世話をすることが示唆されます。

オキシトシンも、海馬のニューロン間の長期的な結合を促進しています。海馬は記憶と学習と感情を司る部位です。このニューロンの結合が強まることで、記憶力、学習能力が高まることが指摘されているのです。

これらから、母親となった女性の脳は、記憶力や学習能力の強化、恐怖やストレス反応を制御する力が向上するということです。さらにラットの実験からは、子育て中のラットはそうでないラットと比較して、視覚、嗅覚、触覚において刺激を感知する能力が高いという結果があります。いろいろな能力が高まっていきます。

つまり子供を育てることで母親のマルチタスク能力が高まることが考えられます。

男性も、親になると変化することが分かっています。サルとネズミの実験では、学習能力、空間把握力において父親はそうではない雄に比べ、より高い能力を示しています。

(アメリカリッチモンド大学、クレイグ・キンズレーの論文)

親になるとことで、男女を問わず脳の変化が子育てに適応していくことが分かります。

早期から子育てに関わる機会を作る

親になった人にしか、脳は変化しないのか?ということを調べてみました。

青年期にある未婚の男女を対象に実験したものがあります。

乳幼児とのスキンシップをすることを定期的に繰り返すと、親でなくても聴覚刺激に対する感情や注意、認知に関わる両側中前頭回、両側島、両側前帯状回のはたらきが活発化することが分かりました。

つまり乳幼児と触れ合い機会があると、乳児の泣き声に対し、敏感性が高まり、情動的な反応を示すようになったことが考えられます。

育児経験の有無に関わらず、子供と触れ合う機会が早期からあると、子育ての能力が備わるのではないでしょうか。

最近では若者の子育てに対するイメージが大変なこと、苦労するものなど悪い方に傾いていることがあります。それは、核家族、孤立化、教育に取り入れていないなど様々な理由から、青年が子供と触れ合いう機会がほとんど日常にないことと関連しているのかもしれません。早期から子供と関わる機会や、父親が育児休業を取るなど身近なモデルを見て育つ子供は、育児を楽しむということにつながることも考えられます。

そして子育て脳は誰でも育めます。

少子化対策も具体的に明確化されました。今後、我が国の出生数が増えてくることを願いたいと思います。

今日も最後まで読んで下さりありがとうございます。

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