水と健康との関係
今日は水が私たちの生活にどのような影響を及ぼすのかについて共有したいと思います。
私がアフリカの生活を通して、まず実感したことは水は生命に直結する大切な資源であることでした。
分かっていても、体験してみないとその重要性に気が付くことは出来ませんでした。
私たちが健康に過ごすことができるのは、生命維持の清潔な水があるからです。
前回の続きですが、清潔な水が手に入るのは、世界全体からみると、まだ少ないということです。
国の格差もありますし、都市と農村部でも大きな差を感じました。
2015年、世界で安全に管理された水が手に入る人は71%です。
また、9人に1人が飲み水を手に入れるために毎日30分以上歩き、水くみに行きます。
実際にガーナの病院の分娩室には蛇口はありましたが、水は一度も出ませんでした。
分娩室で水が使えないことはとても深刻です。何より医療者は手洗いが出来ません。清潔が保てません。
水が及ぼす健康への影響について考えてみたいと思います。
- 不衛生により、皮膚疾患になるリスク。
- 汚染された水を飲むことになり、流行性感染症のリスク。
- 水で繁殖した吸血昆虫により原虫が媒介。⇒マラリア
- 寄生虫を含むミジンコを水とともに飲水することで病気になったり住血吸虫症になるリスク。
① 不衛生により、皮膚疾患になるリスク
前回、水が不足しているためバケツ1杯の水で身体を洗う生活をしていると書きました。
充分に体や髪の毛が洗えないため、皮膚がかゆくなります。
気温も40度ありましたので、じっとしていても汗をかきます。特に頭部は蒸れて、痒みが強いです。
現地の人達はペンの先でボリボリと皮膚を掻いています。私も我慢できなくてポリポリと掻きだしました。
そうなると、炎症が起きたり、頭シラミが発生したり。とにかく、痒みを我慢するのが辛かったのです。
洗濯物も1週間に1回。限られた水で、手洗いなので、十分な汚れを落とせず、ノミやシラミの媒介が。
自動洗濯機のありがたさをここで実感!
② 汚染された水を飲むことになり、流行性感染症のリスク
A型肝炎ウイルスという感染症、日本での発症はとても少ないから聞きなれないですね。
このA型肝炎ウイルスは、便から排出されたウイルスが、不潔な手や汚染された食物や水を
摂取することにより起こります。経口感染が主ですが、性感染、血液感染の報告もあります。
症状は発熱、嘔気、嘔吐、頭痛、腹痛など。肝臓の炎症が重症化すると黄疸、肝臓が腫れてきます。
重症化すると命の危険があります。
その他、汚染の水により、流行性下痢症があります。下痢から脱水症状になり命を落とすということです。
③ 水で繁殖した吸血昆虫により原虫が媒介。⇒マラリア
マラリアは水の中で繁殖した吸血昆虫により原虫が媒介される感染症です。
このマラリアについては、3大感染症の一つでもあり、アフリカではとても多い感染症です。
5歳以下の子どもがたくさんマラリアにより命を落としています。
マラリアについては今後記事にしたいと思います。
④ 寄生虫を含むミジンコを水と飲水することで住血吸虫症になるリスク
住血吸虫症は、淡水に住む巻貝を中間宿主として人に感染します。人が泳いだり、沐浴したり、排泄したり
洗濯するために淡水に入った時に、巻貝の口先から排出された住血吸虫の幼虫が人の皮膚から人体に侵入します。
人に侵入した幼虫は数週間で成虫になり、血管内で産卵します。これらが尿や弁とともに排出され、
再び人の感染が起こります。水道からの水がないために、川を利用している人々に起こりやすい疾患です。
怖いことは、卵が人の腸や肝臓、膀胱にまで住みつき、生殖器への障害も起こします。
炎症を起こし、下痢、血便が生じ、特に子どもは繰り返すことで貧血や栄養障害を起こし、学習にまで影響を及ぼします。
最後になりますが、水の問題は生きていく上で、そして未来を創る子ども達にとっても深刻です。
私たちにできること。一歩を踏み出す勇気。
- それは、私たちが使っている水は、世界から見ると当たり前ではないということを認識することからのスタートだと思います。
- 私たちにできる支援を一人一人が考えていくことではないでしょうか。
- 日本から支援している活動を調べてみる。
- 実際に支援に参加する。 例えば募金、寄付、ボランティア活動の参加、支援員として現地に行き活動する。
- 井戸を掘る計画に協力する。こちらは、私も今後、関わっていこうと思います。
- 一人一人が普段から水を大切に使う。資源には限りがあります。
まだまだ参加できる活動はあると思います。この記事がきっかけになってもらえれば、幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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